らんをめがけて三千里旅行

6月4日(金) 根っこ掘りに夢中

夜行バスに乗って、名古屋へ。友達の八重どのと落ち合う。

今日のメニューは初めていくところばかりだった。

と、ゆーか、どこへゆくか、今朝決めた。今日の旅行のために、連日必死で仕事をすませてきたので

旅行自体のプランをたてる余裕がなかったのだ。朝から、八重どのに104に電話かけてもらったり、

九州の友達にネットで調べてもらって史跡の場所を調べてるし・・・。

急遽、決まったコースは尾張一宮→岐阜羽島→時間があったら大垣行ってみよか、だった。

尾張一宮に行って、荷物をロッカーにつっこんで、豊島図書館で郷土資料をあさった後、一宮城跡

向った。と、ゆーか「UFJ銀行が建ってるところが城跡。」と言われ、でっかいレンガの荘厳なUFJ銀行

の入り口に「一宮城跡」の立派な石をみつけた。ばんざーい・・・って、何の解説書きもなしですか?!

一宮城は関氏の居城で、関小十郎右衛門共成(または長安)は、森蘭丸の姉妹の旦那さまにもなって

いて、森家とは縁戚関係にあった。本能寺の変の後、関共成は一宮城を放棄して、UFJ銀行を建てて

いる。いや、そういう訳にもいかなかったようで、長可のもとへ行っている。長久手の戦いで、森長可と

共に、花の命を散らした人。・・・くらいの説明を書いている看板はないのか、UFJ銀行をぐるりと回った

けど、何もなかった。銀行をめくれば何かあるかも知れないけど、そういう訳にもいかないし・・_| ̄|○

この共成は、信長に蘭奢待をもらって、それを「私(わたくし)してはならない。」と、一宮の真清田神社

に寄進している。神社の名前が読めない。でも、さすがは蘭丸の義兄貴だ。その真清田神社に行って

みた。立派な神社で参拝したり、ご朱印をもらったりで長居をしたけど、一番気になる宝物館、平日は

休館だった。

Σ(゚□゚; 戦国の世は、かくも無常なり。

関氏の菩提寺、常念寺へ足を延ばした。今日は炎天下だ。東海地方の暑さは、九州人には理解で

きない日差しの強さがある。これじゃあ、頭の皮がメリメリむけるぞ。

                     

関氏の昔の供養塔はもう、なかった。戦時中にどうにかなったと聞いている。でも、新しい関氏三代

の立派な供養塔ができていた。ここでは、私の知る、”十郎右衛門”ではなく、関十郎右衛門長安

となっていた。

武家の慣習では”小”というのは、庶子につけたり、あるいは、十郎右衛門Jr.でいっ!の意味でつけ

たりする。”次郎”の子供は”小次郎”みたいな感じで。暑いので詳しいことは考えまい。

父親は、関十郎右衛門長直なり。

 

それから、森家が信長に金山城をもらう前に暮らしていた蓮台に行ってみた。今は笠松町田代となっ

ている。今は、みごとに何もない。田舎だ。田代という名にふさわしい田舎だ。UFJ銀行すらない。

水を張った田んぼにはオタマジャクシ(゚゚)〜や、メダカが。

そして、聞いたことのないような鳥の声が響き渡っている。

「クェー!!!クェー!!」

う・・・。何もないこの世界で、わたしたちは、何を目指せばいいのか。

とりあえず、知らないけど、なんか、助けてくれそうな家のチャイムを鳴らしてみた。

でてきた方は、私らを宗教勧誘のねーちゃんかと思われたらしいが、森蘭丸のことを、少し並外れて

大好きな全然怪しくない一般的な女性と知ると、外を案内してくれ、

「この辺が蓮台古城跡fだったのよ。」

「私が小さい頃はここにお堀の跡といわれるものがあって、蓮田になっていたのよ。」とか、

「そのお堀といわれていたものに囲まれた土地だけ、周囲より高くなっていて洪水の被害にも遭わなか

ったの。」

と、貴重な話しを沢山してくださった。やはりそういう事は土地の方しかわからないことなのよね。

知り合いのないこの土地で(無理矢理だけど)そんな話を聞けたのはラッキーなことだった。

                     

蓮台古城跡の標識。(”森蘭丸生誕の地”と書いてあった。)今はひっこぬかれて個人宅の庭にあり。(笑)

いちおう、城跡の敷地内ってことで・・・・。

バス停でバスを待っていると、普通のおじさんが運転するバンがやってきたので、ドキドキしながら乗車。

バスの運賃「100円を目安に」と書いてあった・・・・。目安にって・・・・・・・?(汗)

お賽銭箱みたいな木の箱に運賃を入れた。なんか、初体験。

岐阜羽島から、タクシーで千代保稲荷へ行った。みなに、”おちょぼさん”と呼ばれていた。

森家の先祖の、源八幡太郎義家の六男の源(森)義隆が、”わが祖先の霊璽、宝剣、義家の画像の三点

を千代に保て”と言ったことに由来する神社だ。夢と憧れをもって森家のルーツともいえるこの神社の聖域

に足を踏み入れると、入り口でいきなり油揚げがローソクとセットで30円で売られていた。Σ(゚□゚;

自分がその場で食べるためではない、油揚げやローソクにかぶりついても文句は言われないとは思うけど、

激しいツッコミは避けられないだろう。この油揚げとローソクは、お稲荷さまにお供えするのだ。

境内に入ると、賽銭ではなく、油揚げがガンガンと積まれていた。油揚げに囲まれて、森義隆はいったい

どこへ・・・・。(@@;)

次の目的地に行くために、バスを待っていると、反対の通りにアイスが売ってあったので、信号を渡って

アイスを買い、アイスを食べながらバスを待っていた。その時事件は起こった。道路を走っていたトラック

が、荷台に積んでいたでっかい鉄パイプを雪崩のように落としてきたのだ。叫んじゃったけど、その後は、

八重どのと2人で愕然・・・・。

さっきアイスを買いに走った信号が事故現場だった。数分時間がズレていたら、私たちは、チョコミントア

イスを右手に握ったまま、道路に転がっていたかも・・・・・。千代保稲荷さま、どうもありがとうございます。

バスで大垣城へ。時間が差し迫っていたので、ダッシュ!入城時間の4:30を超えていたけど、受けつけ

に「閉館時間までには必ずでます!」と無理を言っていれてもらった。

ここは、森長可(蘭丸兄)のお嫁さんの実家の池田家の居城になっていた時期もあったけど、何といっても、

関ヶ原合戦では、西軍の石田三成の本拠となったことで有名だろう。でも、なんか、、、、池田家がなかった

ことのように終わっているのは、ちょっと腑に落ちない。(−−;)

                      

6月5日(土) 何度も訪れた兼山、見事に写真を撮るのを忘れていル。

朝から森一族の居城、金山城跡のある山頂で、スピーチの特訓をしていた。

実は、翌日の蘭丸祭の講話の講師を頼まれたのだった。しかし、旅行前は、仕事が残業続きで、徹夜して

も資料を作るのがやっと、その後は何もできていない、というおっそろしい状況だったのだ。

「悲しいときーっ!悲しいときーっ!!蘭丸が城の柱で足の小指をぶつけたときーっ!!!」

人に見られることなくつつがなく練習を終えて、コンビニで買ったお昼ご飯を食べて古城山を下りた。

山をおりると、そこは御嵩町だった。兼山町にいなくてはいけないのに!!!どうしてっ!Σ(゚□゚;

また、山の中腹まで戻らせていただきました。

お昼からは、兼山町でお世話になっている古文書の先生のところへあがりこんだ。

実は、兼山町歴史研究同好会の後援で、(他にも色々な方にバックアップしていただいて)森家の資

料を翻刻しているのだけど、ちょうどその本ができあがったので、先生と今後の打ち合わせ。

もちろん、久々のヨロコビの再会に積もる話も沢山あった。お土産はウニと森家の資料コピー(笑)

結局、つもる話は夜に及び、先生のお宅で、ご飯までご馳走になった。

食事中に、天井からクモがたれてきて、吠えたりもしたけど、奥様も加わって、兼山町でのたのしい団欒。

夜、八重さんの持ってきた古文書を一緒に読んだ後は、私事で用事があっていろいろやっていたのだけ

ど、夜中の2時過ぎにその用事も終わり、「八重どの、おまたせ〜♪」というと、八重どのはすでに巻き寿

司になって寝ていた。

6月6日(日) 森一族のご位牌の前で・・・

蘭丸祭の当日、外を見ると雨だった。Σ(゚□゚;

ありえない。昨日は晴天だったのに。

誰かがホテルの上から、ジョロで水をまいているギャグであってほしい。

_| ̄|○ ・・・・・・・・また雨女の落胤を押されてしまう。

役場からお迎えがきてくれた時には、激しい雨。

時間までは、祭の会場でもある森家の菩提寺・可成寺でご住職とご一緒したけど、みんながご住職の前で、

「うききさん」「うききさん」「”うきき”て、どういう意味なの?」とハンドル名を撒き散らすので、ちょっと恥ずか

しかった。(*><*)

雨の中にもかかわらず、多くの兼山町の方々や、蘭丸ファンがお祭りに集まってきていた。

私の個人的な友人知人までもが関東から講話にかけつけてくれて、感激はとどまるところを知らず。

講話も、サクラばかりを並ばせずに済んで、おお、よかった。

講話は、逸話や伝承を一切排除して、事実と信頼できる史料に基づいて蘭丸の人生を語った。

石山本願寺との和睦、信長三職推任事件、本能寺の変・・・・・。

史実に基づいて語ったのがかえって好感を持ってもらえたようで、よかった。

思えば10年前にこの兼山町に訪れた時には、この町に知り合いもいなかったのに、今はこうして、大事な

人間関係も沢山でき、色々な方に見守られながら、森一族のご位牌の前で自分の思いをお話させていただ

けた。正直、感動で胸がいっぱいだった。

当日委託発売した本も完売して、まいどありです。

サイトを見てくれていた方々からも声をかけていただいて、本当にありがたい限り。

役場の方が、お土産と言って箱を差し出してきてくださった。

うきき:「ほほぅ、山吹色の菓子ですな!( ̄ー+ ̄)キラーン!

役場の方:「いえ、お菓子じゃなく、お酒です。おまんじゅうも考えたのですが、女の方も近頃は(中略)と思

       ってお酒にしました。」

うきき:「あ・・・・はい。」

みなさん、楽しい思い出をありがとうございます。