箕作山から安土駅を目指して歩いて歩いて歩く。
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安土町のマンホールのフタ
信長の鉄鍔(まけずのつば)をデザイン?
思わずめくって持ち帰りたくなる。 |
足が棒なばかりか、おケツの付け根あたりからおかしい。でも、歩くしかないのだ。何が私をそうさせるのか分からぬが、限界へのチャレンジなのだ。基本的に私の旅は体力勝負なので、このオチがふさわしいのかも知れない。
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安土駅前信長公像
踊ってるのかな。 |
1時間かかって、フラフラになって安土駅にたどり着いた。おじさんの「30分」とは一体何を想定した時間だったのであろうか。駅前のレンタルサイクルに行くと「安土城跡は4時が最終入城だから急いで!お金は後ででいいから。」と店のかた。そんな時刻は3:45。映画のピンチシーン並みのギリギリ設定だ!!!Σ(゜□゜;
安土の道は慣れているので、迷う心配もなく最短コースでシャーーーーッとチャリンコを走らせて10分後には安土城跡の城の受付にかけこむ。
「5時には閉めますので、それまでにここへ戻ってきてくださいね。」とのこと。要するに1時間で見て回らねばならないのだ。城に入ったまま出てこなかったり、そのまま住みついたりとかするのは厳禁のようだ。何もない箕作城跡に5時間かけたこの私が、天下の名城・安土城を1時間で見て回らなくてはならないとは、なんという運命!!
いつもならのんびりまったりと行く道のりを、急ぎ足で天主跡めざして階段を登る。疲れているので足がもつれてほどけなくなってしまう。急ぎつつも、階段で一休みしつつ、森蘭丸邸跡石碑へ。本来の屋敷跡があったずっと奥の敷地への立入禁止は以前からだけど、もはや石碑周辺自体もどんどん人を拒むような場所になってきているような…。
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左:津田信澄邸跡石碑
右:森蘭丸邸跡石碑
今は立ち入り禁止ゾーン |
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森蘭丸邸跡石碑
かたむきつつもひたむきに頑張って
いるような感じの味わいがある。 |
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信長公本廟
信長ゆかりの太刀、烏帽子、直垂などの遺品が
埋葬されている。 |
天主跡に登りきって、ようやくゆったりとした気分になって琵琶湖を眺める。当時、安土城からは坂本城や長浜城などの家臣キャッスルが見えていて、何かあれば各地から即連絡がとりあえたという。家臣らの動きが手に取るようにわかる「まる見えシステム」。光秀が庭でゴム飛びの練習をしているのも望遠鏡なんかで見えていたかもしれない。そんな琵琶湖ネットワークも、本能寺の変の際には何の役にも立たなかったけどね!
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天主跡
信長は何かにつけ「天」の字が大好きなのだ。 |
天主跡
この地面は天主の地階・穴蔵部分にあたる。 |
ふと思う。森可成が戦死した坂本の比叡辻も安土城の天主から見えるのかな…と。幾度か、信長はここの天主からの風景に、ふと、自分の為に亡くなった家臣・可成のことを思い起こしたことがあるだろうか。
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三重塔
天正年間に信長が甲賀から
テイクアウトしたという。 |
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二王門(裏)
これも信長が甲賀からテイクアウト。 |
二王門(表)
森蘭丸もきっと目にした金剛力士像。 |
信長時代からの建築物である三重塔と二王門を見物して、忠実に5時前に受付に戻る。「そう見寺」のご朱印をいただいて、安土城跡をあとにした。
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桝形虎口
大手門から西にのびる石累は近年、発掘整備
されたもの。画像右奥に折れて道は続く。 |
チャリンコをこぎながら、この後の計画を立てる。もはや5時で日没も時間の問題。近江八幡で夜の闇観光は無理であろう。しかし、今回の旅の目的の一つ、赤コンニャクは捨てがたい。
■赤コンニャクとのなれそめ
(1)おととしだったか、多賀大社の門前のお土産屋で赤コンニャクをみつけ、遠目に「マグロの切り身」として認識する。
(2)彦根のお土産屋でこれがマグロではなく赤コンニャクと知り、「井伊家の赤備えに便乗したコンニャク」と思い、「やりすぎだ。」と思う。
(3)家に帰って調べると、これは伝統的な近江八幡名物の「赤コンニャク」で、織田信長が赤く染めさせたとか、近江商人が考案したとかいう説を知る。
これはぜひ買わなくてはならない。でも、近江八幡へはもう行く時間がない。
そこで、安土城跡からの帰り道に普通のスーパー「フレンドマート安土店」に寄ってみる。コンニャクコーナーには普通に赤コンニャクが置いてあった。滋賀県民は普通にこんなものを食しているのか。お弁当にもこれさえ突っこんでおけばイロドリもバッチリだな。今回は赤コンを2袋買って帰って、リュックの中身がいきなり重くなる。
レンタルサイクルを返却して、ついでに安土駅のそばで夕食を食べようと思ってご飯が食べれるところを店のかたに尋ねる。
「駅周辺にはないです。」と、キッパリ回答されてしまった。”楽市楽座”とか”天下布武”とかいう名前のレストランがあってよさそうなものを。お膝元の安土らしく”信長定食”とか作れ。要予約でいいから”天下御膳”とか提供せんかい。
「普通でない料理を食べさせてくれるところならありますけど。」と追加された。
「普通でないって何ですか?」
「普通の食べ物じゃないんです。」とのこと。
詳細は不明ながら、今日の私は、お昼ごはんも食べずに歩き疲れているので普通の食べ物が食べたい。結局は、お隣の駅の近江八幡駅に寄ってみることにした。近江八幡には、駅周辺にも食事する場所が豊富にあるだろうから。
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