風切羽(かざきりばね)の人
華のようなるお梅さま、キリシタン大名・木下勝俊にお嫁入り。
勝俊はお梅さまを愛してはくれたが武門の道には暗い人。
関が原の闘いで、ついに伏見城を逃げ出してしまった。
勝俊:「のう、お梅。わしも武士はもう嫌じゃ。長可どのの気持ちがよう判る。
明日よりは市井として花鳥風月を愛で生きようぞ。」
梅:「行くならどうぞ、お一人で。」
勝俊:「え?Σ(゚□゚; 」
梅:「長可は、武士は嫌と言っても、武士を辞めることをしなかった。
生涯ただの一度も逃げも隠れもしなかった。それが漢というものでしょう。」
憤りのままにぬばたまの髪を切り落として、森家に生まれた誇りを胸に
勝俊のもとを去った。
命やは憂名(うきな)にかへて何やらん まみえぬために送るきりかみ