父・森三左衛門可成

信長がどんな逆境にあっても、森三左衛門可成が傍にいた。

ただ、そこに、平然と。信長はそれだけで心強かった。

信長が初めて家臣に城を与えたのは、

誰よりも信頼の置ける三左衛門に対してだった。

”金山城”、三左衛門は拝領した城をそう命名した。

政治手腕にも腕をふるい、信長を狂喜させる。

三左衛門最期の戦、敵は浅井、朝倉。

押寄せる2万8千の波にひるまず、

わずか500の兵を率いて決死の大海原へ飛び込んだ。

虎は死して皮を留め、人は死して名を残す。

可成は、信長の手元に長可や蘭丸という逸材をも残し置いた。

その子らは父と同じ勇気をもち、終生信長に真心を尽くした。