「なごやかならぬ世の交わり
人の心はむら竹の
不思議の喧嘩をしいだして
たがひに今はこの世にも
なごやが池の水の泡と
果てにしことの無念さよ」
名古屋山三は
槍の達人
かぶき者
酔いしれるような色男
出雲の阿国と浮き名を流し
歌舞伎踊りを作りたる
津山の城にて
喧嘩に果てても
身は魂魄となりながら
阿国の舞台にあがり来たりぬ
「よし何事も打ち捨てて
ありし昔の一節を
うたいて いざやかぶかん。
うたいて いざやかぶかん。」