親の願いは、ゆずり葉のように
子の栄えを見届け退きて散るものを、
無常の風は、老葉を吹き越し、
青葉の盛りの愛し子たちを
また一人、また一人、引きちぎりては
枝から浚(さら)って連れて行く。
そして最愛の長可までもが、
死に引き寄せられるように戦に急ぎ
遂に母にいとまごいを告げる。