身も霊もこがるる

物心ついてより、散るべき時にいさぎよく散るのが

武士の本懐と長可は教えこまれてきた。

それが美しさだと信じてきた。

必ず自分もそうあるだろうと思っていたのに、

運命は長可を 本能寺から締めだし、

信長と蘭丸らをとりこんで燃えあがった。

長可は時を逸して、後に残るは病める鬼。

置いてけぼりをくらわされた孤独な魂は

何度も何度も本能寺の幻の炎に焼かれ続ける。